何が違うの?「販促」と「マーケティング」の関係とは

販促は、マーケティング活動に含まれる手法のひとつです。

販促は、商品への興味や購入意欲を高めて、お客さんに商品を買ってもらうことが目的です。
いかに売れやすい状況を作るか、売れる確率を高められるかが販促の最大の狙いです。

一方、マーケティングはもう少し広いくくりの言葉で、「販促」はマーケティングに含まれます。
マーケティングには、需要を創出して、企業が利益を出し続ける仕組みを成立させるという総合的な意味合いがあります。

マーケティングのなかでももっとも大事な取り組みが「お客さんへのアプローチ」です。
自社の商品に関心があるお客さんを選定し、接点を持たなければなりません。
また、既存のお客さんを囲い込んでいくこともマーケティングの基本な取り組みです。

販促のマーケティングフレームワークを活用しよう!

販促をするときには、マーケティングで最も大事な「お客さんへのアプローチ」について考えておく必要があります。
自社の商品を、自社の視点でみるのではなく、お客さんの視点に立って考えてみましょう。

自社の商品やサービスを客観的に見るためは、フレームワークの活用をオススメします。

フレームワークとは、考えを整理して、考えた情報を見える化するものです。
うまく使いこなせば、効率よく戦略を立てられます。

フレームワーク①3C分析

3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点で、外部環境から自社の戦略を分析するためのものです。
3C分析は、次に出てくる4P分析と掛け合わせて考えていきます。
▼3C分析・4P分析を掛け合わせたフレームワークの取り組み手順について

3C分析のイメージ
例:3C分析
Customer(市場・顧客)
  • 市場規模はどのぐらい?
  • 市場動向はどうなっている?
  • お客さんにはどんな特徴があるか(法人or個人(年齢・性別・趣味嗜好))?
  • お客さんは何を求めているのか?etc…
Competitor(競合)
  • 競合他社の動向はどうなっている?
  • 新規参入しやすいか・しにくいか?
  • 競合他社はどんな戦略をとっているか?etc…
Company(自社)
  • 自社の強み・弱みは何か?
  • どんな経営資源があるか?
  • 自社になにを求められているのか? etc…

Point
3C分析は、①Customer(市場・顧客)→②Competitor(競合)→③Company(自社)
の順で分析しましょう。
第三者から分析することで客観的な分析をすすめられます。

フレームワーク②4P分析

マーケティングの4P は、Product(製品)、Price(価格)、Place(販路)Promotion(プロモーション)の4つの要素に着目して、「どんな商品をどの価格でどのように売るか」戦略を組み立てるためのものです。
4P分析は、3C分析と掛け合わせて考えていきます。
▼3C分析・4P分析を掛け合わせたフレームワークの取り組み手順について

4P分析のイメージ

例:4P分析
Product(製品):お客さんにとっての価値は?
  • 商品・サービスはどんな価値を提供できるのか?
  • 商品・サービスの機能は?
  • ロングセラーor流行りすたりがある商品か? etc…
Price(価格):お客さんにかかるコストは?
  • 商品の原価はどのぐらいか?
  • 市場価格はどのぐらいか(どのくらいの価格が受け入れられやすいか)?etc…
Place(販路):お客さんにとっての利便性は?
  • 店舗販売orネット販売なのか?
  • 直販or代理店経由なのか?etc…
Promotion(プロモーション):コミュニケーションの取り方は?
  • Promotion(プロモーション):コミュニケーションの取り方は?
  • 現在どんな広告を出しているのか?
  • 各プロモーションにどのぐらいの予算をかけているのか?etc…

Point
4P分析はProduct(製品)の分析から取り組み、時間かけましょう。
4P分析はどうしても企業側の視点になってしまいがちですが、3C分析と掛け合わせることで、お客さん側からの視点も漏れなく考えることができます。

フレームワーク③SWOT分析

SWOT分析のSWOT(スウォット)とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素の頭文字をつなげたものです。
マーケティング戦略を立てるときや、経営資源の最適化などの意思決定に使われるフレームワークのひとつです。

SWOT分析は、自社でコントロールできる「内部環境」と、自社の努力では変えられない「外部環境」にわけられます。

  • 内部環境・・・自社の経営資源であるヒト・モノ・カネや、情報、技術など
  • 外部環境・・・法律や政治・経済情勢、技術革新、競合、代替品やなど

そして、内部環境・外部環境ごとに自社にとってプラスのことと、マイナスのことにわけます。
3C 分析・4P分析によって洗い出せたことも、このSWOT分析のフレームワークに当てはめていきましょう。

SWOT分析のイメージ

フレームワークの取り組み手順

4P分析・3C分析をするときは、それぞれ掛け合わせながら考えていきます。

  1. Product(製品)×3C分析をする

    ①Product(製品)×3C分析をする

    まずは、Product(製品)から考えます。
    3C分析は、①Customer(市場・顧客)→②Competitor(競合)→③Company(自社)の順で分析しましょう。

    Product(製品)×Customer(市場・顧客)
    想定するお客さんはどんな人なのかを具体的に絞り込んできましょう。
    市場規模(ターゲットとするお客さんはどのぐらいいるのか)の確認も必要です。
    お客さんが何を求めていて、どのようなステップで商品を買うのかもここで考えます。

    Product(製品)×Competitor(競合)
    同じような商品を販売している競合他社はどのぐらいいるのかを確認します。
    他社がどのようなサービス・付加価値を付けて商品を売っているのかも一緒に見ておきましょう。
    また、今後市場参入してくる企業がいるかなどの把握も必要です。

    Product(製品)×Company(自社)
    自社のヒト・モノ・カネなど経営資源・コネクションを確認しましょう。
    自社商品がどのような価値を届けることができるのか、自社商品がどのようなサービス・付加価値を付けることができるのかも検討します。

    ひとつ目は考える項目が多いのでじっくり時間をとってください。

  2. Price(価格)×3C分析をする

    ②Price(価格)×3C分析をする

    2つ目は、Price(価格)を考えます。

    Price(価格)×Customer(市場・顧客)
    いくらなら抵抗なく買ってもらえるか検討しましょう。

    Price(価格)×Competitor(競合)
    競合がいくらぐらいで商品を販売しているか確認します。

    Price(価格)×Company(自社)
    商品の原価を確認し把握しましょう。
    競合の価格などを踏まえて、いくらで販売したいのかも考えます。
    その際、売りたい金額とお客さんに提供できる価値のバランスに気を付けてください。

  3. Place(販路)×3C分析をする

    ③Place(販路)×3C分析をする

    3つ目は、Place(販路)を考えます。

    Place(販路)×Customer(市場・顧客)
    お客さんがどこで商品を購入するのか考えます。

    Place(販路)×Competitor(競合)
    競合がどのように販売しているのかを調査しましょう。
    対面販売しているのか、代理店販売しているのかなどを確認します。
    また、商品のお届け方法や納期についても見ておいてください。

    Place(販路)×Company(自社)
    競合と同じように自社の販売方法も把握しておきましょう。

  4. Promotion(プロモーション)×3C分析をする

    ④Promotion(プロモーション)×3C分析をする

    最後は、Promotion(プロモーション)を考えます。

    Promotion(プロモーション)×Customer(市場・顧客)
    お客さんがどこで商品の情報を入手するのか考えます。

    Promotion(プロモーション)×Competitor(競合)
    競合がどのような販促手法をとっているのか洗い出してみます。
    またどのぐらいの予算を投下しているのか推測します。

    Promotion(プロモーション))×Company(自社)
    自社で実施中の販促を洗い出します。
    どんな施策にいくらのコストをかけているのか把握しておきましょう。

  5. SWOT分析に落とし込む

    4P分析・3C分析で洗い出した弱みや強みを、SWOT分析で整理しなおしてみてください。
    自社の弱みを認識した上で、それを補う強みを見つけられたら、客観的な視点をもった「どこにもない商品」に近づくことができます。
    また、自社にふさわしい販促も見つけやすくなります。



マーケティングフレームワークは、マーケティングの理論を体系的に思考できるものです。
しかし「フレームワークを実施すること」が目的になってしまうと、次に活かせず労力のムダになってしまうことがあります。
自社の商品を客観的に見るという目的をもって活用できれば、効率よく戦略を立てられるでしょう。

考えの整理ができたら、具体的な販促施策の実行になるかと思います。
販促の手法・種類については関連記事からご確認いただけます。