「販促」とは?ことばの意味や定義について

販促(はんそく)とは、商品への興味や購入意欲を高めて販売を促すことです。
企業が商品を売っていくには、お客さんに商品の存在を知らせて、お客さんの「買いたい」という気持ちを高める取り組みが必要です。

販促・広告・広報の違いは?

効果的な販促をするにあたって、「広告」「広報」「販促」の違いをおさえておきましょう。

販促

販促は、商品への興味や購入意欲を高めて販売を促すことが目的です。

Webサイトやカタログ・DM・チラシなどを使って、お客さんに商品の存在を知らせ、購入につなげます。
発信内容は、直接的に商品購入の動機付けをする表現がほとんどです。

販促のイメージ

広告

広告は、商品の存在を多くの人に知ってもらうことが目的です。

テレビCMや新聞・雑誌広告などのマス広告や、電車の中吊り広告や駅看板などの交通広告、検索連動広告やバナー広告などのWeb広告などがあります。
商品を売ることが最終的な目的ですが、まず第一歩として、お客さんの興味を引くような内容にしたり、名前を覚えてもらうことを重視した表現が多いです。

広告のイメージ

広報

広報は、広告以上に多くの人に知ってもらうことが目的です。

テレビの番組内で紹介してもらったり、新聞や雑誌・ニュースサイトなどに記事を組んでもらうことで、「広告は見ないがコンテンツには興味がある」といった人たちにアプローチできます。
販促・広告と違って自社で内容を作ることはできませんが、比較的安価に情報を発信できます。

広報のイメージ



「広告」「広報」「販促」の中で、売る貢献度がいちばん高いのは販促です。
広告や広報活動に取り組むときには、販促にどうつなげていくか意識しましょう。

販促をする目的ってなに?

企業がお金をかけて販促に取り組む理由は「売りたい」からです。
企業は利益を追求するために存在しており、広告や販促、営業活動はすべて利益を得るための手段です。
これらの手段は、「売る」ことにフォーカスして一貫性をもつことが大切です。

  • 広告の役割:認知の促進やイメージ形成

    (例:商品の存在をお客さんに伝えて知ってもらう)

  • 販促の役割:購入の直接的な動機付け

    (例:商品を売り場やWebサイト上などで直接購入の動機付けをする)

  • 営業の役割:直接販売

    (例:店舗などで直接販売する)

失敗パターン 成功パターン

広告・営業・販促のそれぞれの活動が連動していると、販促の成功確率が上がります。

お客さんのニーズを知って販促の効果を高めよう

お客さんが欲しがっているものは、商品そのものではなく、その商品を買うことで得られる結果です。
売る側の事情はいったん忘れて、お客さんの立場から商品を買う目的や理由を考えてみましょう。
お客さんが本当に求めていることがわかれば、お客さんの心をつかむ販促ができます。

お客さんが個人の場合:個人のニーズはさまざま

個人のお客さんは多様な個性を持っており、ニーズはさまざまです。
「20代のお客さん」「男性のお客さん」といった粗いしぼりこみから、お客さんが「本当にほしがっているもの」を見つけ出すのはとても難しいです。
個人のお客さんには人それぞれの価値基準があって、一人ひとりに事情があり、損得だけで商品を買いません。
さらに趣味嗜好や、その日の気分といったあいまいな理由でものを買うこともあります。

このような複雑な思考をもった個人のお客様を相手にするときは、可能な限りターゲットを具体化することが大事です。
性別・年齢・趣味・ニーズなどを組み合わせて、しぼりこみます。

年齢・性別・ニーズからターゲット具体化する

そして、お客さんが本当に欲しがっているものは何なのかを見極める必要があります。
お客さんは商品そのものを欲しいのではなく、その結果、自分が得をする・あるいは自分が幸せになれる何かに期待をしています。
その本音の期待(ニーズ)を意識できるかどうかが販促の成否を決めるポイントになります。

お客さんが企業の場合:企業のニーズはシンプル

企業のニーズは、利益を増やすことです。
利益を増やす方法には、売上アップと経費削減の2つだけです。
ですので、この2つに対して自社の商品がどのように役に立つのかを考えましょう。

利益を増やす方法

企業がお客さんの場合、商品の細かいことを伝えても反応は薄いです。
商品を買うことで、上の図のどの役割を果たせるのかを伝えてみましょう。

企業で働くあなたにとっても、お客さんにとっても「利益を増やす」という目的は同じなので、理詰めでニーズを探っていけば大丈夫です。

販促の具体的な方法は?

販促の基本的なことをおさえられたら、販促に取り組んでいきましょう。
販促の方法は、新規顧客の獲得のために販促をおこないたいのか、既存顧客の育成のために販促をおこなうかによって内容が異なります。数ある販促手法の中から新規顧客向けと既存顧客向けの手法を一部ご紹介します。

販促手法<新規顧客向け>

  • マス広告

    テレビ・新聞・雑誌などの媒体に広告を出稿

  • 交通広告

    駅・電車・バス・タクシーに広告を出稿

  • Web広告

    リスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告の出稿 など

販促手法<既存顧客向け>

  • メルマガ

    会員にメールでセールや新着情報を配信

  • 同封・同梱広告

    商品やカタログにチラシやサンプルを同梱

  • ニュースレター

    「お店通信」「情報誌」を作成し送付 など